NMB_Ball-Bearing-Products-Catalog_JP


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音響性能を重視した場合の適正予圧量当社では軸受に加わる荷重で予圧による荷重が支配的な場合、音響性能を重視する寿命を目安にしたときの予圧量設定を、「平均面圧」計算により適正予圧を推奨しています。軸受に予圧(Fa)が加わったとき、玉と軌道溝の接触部が弾性変形することで、楕円状の接触面が生じます。玉と軌道溝の接触部に発生する垂直な分力(転動体荷重:Q)を接触楕円の面積(S)で除した玉1個あたりの値を「平均面圧」といいます。図12-1において、玉と軌道溝の接触部に発生する接触楕円の面積(S)は円周率をπ、長軸半径をa、短軸半径をbとすると、S=πab(mm2)となります。また、平均面圧をPとすると、P=Q/S(MPa)となります。音響寿命を重視した場合の予圧量は必要最小限にする必要がありますが、目安として動定格荷重Crから簡易的に計算した場合の計算方法および用途事例を以下に示します。音響寿命目安10000時間~5000~10000時間動定格荷重Crに基づく…簡易計算方法0.005Cr~0.010Cr0.010Cr~0.015Cr用途事例ファンモータ、エアコン、換気扇など荷重の考え方平均面圧1000MPa(最大面圧1500MPa)以下となる予圧および荷重に設定することで、ISO281:2007およびJISB1518:2013に規定される修正定格寿命Lnmに使用される疲労限荷重Cuに規定される軸受材料に疲れが生じないとされる領域となります。また、高炭素クロム軸受鋼の場合、平均面圧が2700MPaを超えると、塑性変形領域に入るといわれています。ただし、軸受の寿命を決める要素は荷重条件のほかに、回転数、使用環境、潤滑剤の状態などにより大きく左右されますので、これらの状態を考慮した際の適正予圧量および荷重についての詳細は当社までお問い合わせください。61


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