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台はかりとは?構造・仕組み・種類・選び方のポイントを解説

工業用台はかり

台はかりとは、物を載せる「台」と重さを量る「秤」が一体となった計量機器です。現在の主流である高機能なデジタル式のほか、電源不要で水濡れや衝撃に強いアナログ式があり、用途に合わせた選定が可能です。物流や製造工場、農業など、あらゆるビジネス現場での計量作業を支える欠かせないツールとなっている台はかり、この記事では、構造・仕組み・種類・選び方のポイントを解説について解説します。

ミネベアインテックの工業用台はかりは、電気式(デジタル)のロードセル式やEMFR(電磁平衡)式を採用しております。「選定ガイドブック」や「導入事例」も複数ご紹介しておりますため、製品選定のヒントとして、ぜひご覧ください。

1. 台はかりとは?

台はかりとは、その名の通り、計量物を載せる「台(載台)」と、重量を測定・表示する「秤(指示計)」が組み合わさった計量機器のことです。日常生活における身近なものではキッチンスケールや体重計など、薬品などを計量する小型のものから鋼材を計量する大型のものまで幅広いジャンルで活躍しています。

2. 台はかりにはどのような種類がある?

台はかりは、重さを量る「仕組み」や「機能」によって、電気式(デジタル)と機械式(アナログ)の2種類に分けられます。
ここでは、それぞれの特徴や内部構造、仕組みについて解説します。

電気式(デジタル)台はかり

内蔵されているセンサーの仕組みによって、ロードセル式と電磁平衡(EMFR)式の2つの方式に分かれます。重さを電気信号で伝えるため表示部の配置を柔軟に選ぶことができ、立ったまま見やすい「ポール付き」、大きな荷物を載せても表示部が隠れない「セパレートタイプ」、机上で使えるコンパクトな「卓上タイプ」など用途に合わせて様々な形状があります。

<特徴>

  • 数値がハッキリと表示されるため、数値の読み間違いが少ない
  • 風袋引き(容器の重さを引く機能)がワンタッチで可能
  • PCやプリンタと接続してデータ管理可能

■ ロードセル式

「ロードセル」と呼ばれる荷重センサーが重さを電気信号に変換し、ディスプレイにデジタル数値で表示します。金属の「たわみ」を利用して重さを感知する、最も一般的な方式です。構造がシンプルで衝撃にも強いため、幅広い現場で採用されています。

■ 電磁平衡(EMFR)式

磁気と電気の力(電磁力)を利用し、載せた物の重さと釣り合わせることで計量する方式です。ロードセル式よりも高い精度(高分解能)と、表示がピタッと止まるスピーディな応答速度をが特徴です。高機能なため高価な場合が多いですが、微量な原料の配合や、厳密な品質管理が求められる現場に最適です。

機械式(アナログ)台はかり

てこの原理やばねの弾性の物理的構造を利用して、電気や電池を使わずに、計量物の重量を指針や目盛りで表示する計測器です。「平皿」「丸皿」といった載台形や、丸洗いできてサビに強い「オールステンレス製」などがあります。

<特徴>

  • 電源や電池が不要なため、屋外やコンセントのない場所でも使用可能
  • 繊細な電子部品を持たないため、水濡れや粉塵、衝撃に強い

3. 台はかりの基本構造

台はかりは、電気式(デジタル)か機械式(アナログ)かによって、内部の構造が大きく異なりますが、主に「物体を載せる部分」と「重量を検知して表示する部分」で構成されています。電気式(デジタル)である「ロードセル式」と「電磁平衡(EMFR)式」、機械式(アナログ)の3つに分けて、その構造を解説します。

共通する基本構造

電気式(デジタル)か機械式(アナログ)に関わらず、台はかりには以下のような共通パーツがあります。

  • 載台(計量皿): 測定する物体を置く平らなテーブル部分
  • ベース(基台): はかり全体を支え、床面に設置する土台

電気式(デジタル):ロードセル式台はかりの構造

ミネベアインテックの工業用台はかり
  • 計量台(載台): 実際に物を載せる部分。重量物を載せても壊れない堅牢さがあり、サビや汚れに強いステンレス製が多く使用。
  • ロードセル(荷重センサー): 計量台の下に内蔵されている心臓部。重さによる金属の「たわみ(ひずみ)」を電気信号に変えて感知。
  • 表示部(指示計・インジケーター): センサーからの信号を受け取り、重量をデジタル数値で表示。

電気式(デジタル):電磁平衡(EMFR)式の構造

ミネベアインテックの工業用台はかり
  • 計量台(載台): 実際に物を載せる部分。
  • 位置検出センサーと電磁コイル(測定部): 載せた物の重さで計量台がわずかに沈むと、位置検出センサーがそれを感知。その沈み込みを元の位置(ゼロ)に戻すため、電磁コイルに電流を流して上向きの磁力(電磁力)を発生させる。
  • 表示部(指示計・インジケーター): 計量台を元の位置に戻すために「どれだけの電流を流したか」を精密度高く測定し、それを重さに換算してデジタル表示。

機械式(アナログ)台はかりの構造

  • 計量台(載台): 実際に物を載せる部分。
  • てこ(レバー機構): 計量台の下に張り巡らされた金属製の腕。載せられた大きな荷重を「てこの原理」によって小さな力へと変換(減衰)させ、測定部へと伝える。
  • 測定・表示部(ばね式/さお式): てこから伝わった力を重さとして示す。「ばね式」は内部の引きばねが伸びて歯車を介し針を回転させ、「さお式(目量式)」は天秤のように手で分銅を動かし、水平に釣り合った位置の目盛りを読み取る。

4. はかりの測定原理(偏位法と零位法)

はかりが重さを測定する根本的な物理原理には、大きく分けて「偏位法と零位法」の2種類があります。前述した電気式(デジタル)・機械式(アナログ)の基本構造も、いずれかの原理に基づいています。

偏位法(へんいほう)

偏位法(へんいほう)とは、測定量によって生じる指針の振れや目盛りの位置のズレ(偏位)といった、ばねや金属センサーの「変形・たわみ量」を読み取ることで、直接その大きさを測る計測手法のことです。

  • 該当する仕組み: ロードセル式(デジタル)、ばね式(アナログ)
  • 特徴: 構造がシンプルで測定スピードが速く、衝撃にも比較的強いため、一般的な台はかりに最も広く普及している原理

零位法(れいいほう)

零位法(れいいほう)とは、載せた物の重さに対し、反対側から同じ力(分銅や電磁力)を加えて釣り合わせ、基準となる「ゼロ(元の位置)」に戻したときの力を読み取る方式であり、天秤と同じ原理です。

  • 該当する仕組み: 電磁平衡(EMFR)式(デジタル)、さお式(アナログ)
  • 特徴: ばねや金属センサー自体の変形に依存しないため、偏位法よりも極めて高い精度を発揮

5. 現場の課題を解決する「特殊な機能」の台はかり

台はかりには計量だけでなく、特定の環境や業務に特化した機能を持つ台はかりがあります。代表的な特殊機能をご紹介します。

防爆(ぼうばく)台はかり

化学工場や塗料工場など、引火性のガスや可燃性の溶剤を扱う危険場所で使用するための専用はかりです。万が一内部の電子部品が高温になっても周囲のガスに引火しないよう、厳重な安全構造で設計されています。

防塵・防水台はかり(IP規格対応)

水や粉塵が舞う過酷な環境でも故障せずに使えるよう密閉性を高めたはかりです。水を大量に使って丸洗いしたい水産市場や食品加工工場などで活躍します。

U字型スケール・パレット用スケール

通常の四角い台ではなく「U字型」をしており、ハンドパレットトラックをそのまま差し込んで荷物をパレットごと計量できる台はかりです。床に埋め込む大掛かりな工事が不要で、物流倉庫などでで活躍しています。

6. 台はかりの選び方

台はかりは、数kgの軽量物から数千kgの重量物まで幅広く対応でき、形状や機能のバリエーションも非常に豊富です。そのため、現場の作業効率アップや正確な品質管理、機器の長寿命化を実現するためには、「精度・形状・使用環境・法的規則」をもとに用途と環境に合った適切なスペックを見極めることが不可欠です。

ひょう量(最大計量値)と目量(最小表示)

「どれくらいの重さを、どのくらいの細かさで量るのか」という、計量対象物の最大質量と業務上要求される計量精度(分解能)に基づき、はかりの基本仕様を選定します。

  • ひょう量: そのはかりで測れる最大の重さのこと、「測りたい物の中で最も重いもの+風袋(容器やパレット)の重さ」をカバーできるものを選択する必要があります。ギリギリのものを選ぶと、荷物をドンと置いた際の衝撃で内部センサー(ロードセルなど)が故障する原因になります。
  • 目量: はかりが読み取れる最小の単位です(例:10g単位、50g単位など)。「1g単位」で量りたいのか、「10g単位」で十分なのかを決めます。目量が細かい(精度が高い)ほど、価格は高くなります。

計量方式(センサーの種類)

前述した電気式(デジタル)・機械式(アナログ)の基本構造を踏まえ、求める精度と環境から方式を選びます。

  • 一般的な計量・耐久性とコスト重視(ロードセル)式
  • 塗料、薬品、香料などの極めて精密な配合: 電磁平衡(EMFR)式
  • 電源が確保できない場所: 機械式

載台(計量皿)のサイズ

載せる荷物や容器(段ボール、コンテナ、パレットなど)の大きさに合わせて選びます。測りたい対象物が、計量台からはみ出さずに安定して載せられるかを確認します。ダンボール箱やコンテナ、ドラム缶など、実際に載せるものの底面サイズより少し大きめの台を選ぶと作業がスムーズです。

使用環境(防水・防塵・防爆)

使用する現場の環境に合わせて、適切な耐久性(保護等級)を持つものを選びます。水や粉塵が多い場所では「防塵・防水台はかり」、可燃性ガスなどを扱う場所では「防爆台はかり」を選びます。

取引・証明への使用(特定計量器)

商品の重さによって価格を決めて販売する(量り売りなど)場合に使用するはかりは、計量法上の特定計量器に該当するため、検定証印又は基準適合証印が付されたものを必ず選択し、使用方法・有効期間及び定期検査に関する要件を守って使用する必要があります。なお、社内の目安として測るだけなら、一般用のはかりで問題ありません。

7. 関連法規と国際規格(計量法・OIML・精度等級)

ビジネスで台はかりを使用する際、適正な計量を守るための法律や国際規格、そしてはかりの「正確さのランク」を示す精度等級について理解しておくことが重要です。

はかりの「精度等級」とは

日本の計量法やOIML(国際法定計量機関)の勧告では、はかりの分解能(目量の細かさ)や性能に応じて、1級から4級までの「精度等級」が定められています。
ミネベアインテックの工業用台はかりは2級から4級に該当しています。

  • 1級(特級 / Class I): 最も精度が高く、主に研究室などで使われる微量用の分析天びんが該当します。
  • 2級(高精度 / Class II): 宝石や貴金属の取引、厳密な薬品配合などに使われます。台はかりの中でも、電磁平衡(EMFR)式を採用した高精度モデルの一部が該当します。
  • 3級(中精度 / Class III): 工場での生産管理、物流倉庫での計量、スーパーでの量り売りなど、一般的な産業・商業用途で最も広く使われる等級です。市場に流通している台はかりの多くは、この「3級」に該当します。
  • 4級(普通精度 / Class IIII): ざっくりとした重量の目安を知るための、比較的粗い計量に使われます。

計量法と特定計量器とは

日本の「計量法」では、商品の売買や事実の証明など、計量結果が外部とのやり取りに関わる行為を「取引・証明」と呼びます。

  • 取引・証明の例 : 肉や魚などの量り売り、重量に応じた運賃の算出、農作物の買い取り、公的な報告書への記載など。
  • 取引・証明に関して義務付けられていること :取引・証明に使用するはかり(特定計量器)は、国が定めた構造や精度の基準に合格したものでなければなりません。合格したはかりには「検定証印」または「基準適合証印」が付されています。また、取引・証明用のはかりは、適正な計量を維持するために自治体等が行う2年に1回の「定期検査」を受けることが法律で義務付けられています。

OIML(国際法定計量機関)規格とは

OIML(International Organization of Legal Metrology)は、法定計量に関する国際的な規格を定めている機関です。OIMLの勧告(基準)に適合した台はかりは、世界基準でその構造や精度(クラス)、信頼性が認められていることを意味します。輸出入が絡むグローバルな取引現場や、国際規格(ISOなど)に基づく厳格な品質管理を行っている工場では、OIML適合モデルを選ぶことでデータの信頼性が強力に担保されます。

8. ミネベアインテック
(Minebea Intec)

150年の伝統と革新が導く、妥協なき「真の計測(The True Measure)」

ミネベアインテックは、ドイツで150年以上の歴史を刻む旧ザルトリウス・インテックの工業部門と、ミネベアミツミの技術が融合して誕生した計量・計測機器のリーディングカンパニーです。 「真の計測(The True Measure)」をモットーに、ヨーロッパで磨き上げられた堅牢かつハイジェニック(衛生的)な高性能製品を展開。全世界30,000社以上の導入実績に裏付けられた高い品質と、多様な製造ラインに最適化できる柔軟なカスタマイズ対応、そして迅速なグローバルサポート体制で、世界中のモノづくりの現場を支え続けています。

ミネベアインテックの事業紹介

9. 工業用台はかりのことなら、ミネベアインテックにご相談を

台はかりは、業務の効率化と正確な品質管理を支える重要なツールです。ひょう量や目量、使用環境、特定計量器の要否などをしっかり確認し、自社の現場に最もフィットする1台を選びましょう。

ドイツに開発・製造拠点を構え、堅牢・ハイジェニック(超衛生的)・高性能な製品を世界中で展開するミネベアミツミグループのミネベアインテックが取り扱う工業用台はかりは、ロードセル式および電磁平衡式センサを採用した多彩な製品ラインナップをそろえており、ひょう量620g/1mg表示の高精度の台はかりからひょう量3000kg/0.1kg表示の台はかりまで、分析などの研究所から工場の大型台はかりまですべてインテック製品でカバー可能です。工業用台はかりの導入やリプレースをお考えなら、ぜひお気軽にミネベアインテックにご相談ください。

工業用台はかりの導入をご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください。

10. よくあるご質問(FAQ)

はかりの校正(精度確認)はどれくらいの頻度で行うべきですか?
一般的には「1年に1回」が推奨されますが、用途や法規制によって異なります。
振動・粉塵の多い過酷な環境で使用している場合は、半年に1回などサイクルを短くすることをおすすめします。 なお、「取引・証明用(特定計量器)」として使用している場合は、計量法により2年に1回の公的な法定検査を受けることが義務付けられています。
容器(風袋)を載せてゼロ表示にしたら、量れる最大重量はどうなりますか?
容器の重さを引いた分だけ、量れる上限は減ります。
例:最大100kgのはかりで20kgのパレットをゼロ表示にした場合、載せられる中身の上限は80kgになります。
計量値がパラパラと変動して安定しないのですが、故障ですか?
まずは「設置環境」と「清掃状態」をご確認ください。
はかりは非常に繊細な機器です。数値が安定しない場合、「水平が取れていない」「環境の影響」「異物の挟まり」が原因であることが多く見られます。

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