完全自動運転(LiDAR)
自動運転(LiDAR)の安心と安全を支えるミネベアミツミ製品
自動運転の仕組み・レベル定義から高精度センシングまで徹底解説
自動運転におけるLiDAR(ライダー)とは、レーザー光の反射を利用して周囲の空間を正確に3Dマッピングする、安全走行に不可欠なセンシング技術です。高度な自動運転の実現には、「長距離測距の高精度化」や「車室内設置におけるモーター駆動音の静粛性」といった課題をクリアする必要があります。
本ページでは自動運転の仕組みからLiDARの役割、自動運転レベルなどの基礎知識に加え、FDBモーターや高精度ベアリングなど、ミネベアミツミの超精密部品による課題解決策まで解説します。
自動運転(LiDAR)の基礎知識
自動運転の仕組みとLiDARの役割
自動運転の仕組みは、車載センサーで周囲の状況を把握する「認知(目・耳)」、AIが危険予測や走行ルートを決定する「判断(脳)」、そしてハンドルやブレーキを動かす「操作(手・足)」の3つのプロセスが高度に連動することで成り立っています。この一連のシステムの中で重要かつエラーが許されないのが、目や耳にあたる「認知」のプロセスです。LiDAR(ライダー)は、自動運転車において人間の視力を遥かに超える高精度な「目」として働き、車両から照射したレーザー光の反射時間や周波数の変化を利用して周囲の環境をリアルタイムに立体的な3Dデータとして描き出すセンサーです。この空間認識力により、昼夜の明暗差や遮蔽物の多い複雑な環境下でも安全な走行が可能になります。
ミネベアミツミは長年培った超精密加工技術により、LiDARの心臓部となる中核部品を提供しています。鏡を高速回転・往復駆動させて周囲の空間をモデリングするアクチュエーター(モーター)、ノイズを抑える高周波部品などを融合させ、次世代モビリティに求められる高精度なセンシング環境を実現します。
なぜLiDARが必要なのか?主要センサー比較
複雑な環境下でも対象物までの正確な距離と立体的な形状(3D空間)を精緻に把握するためLiDARが必要になります。自動運転の「認知」を担うセンサーには主にカメラ、ミリ波レーダー、そしてLiDARの3種類があります。それぞれに得意・不得意があり、これらを補完し合う「センサーフュージョン」が現在の主流ですが、他のセンサーでは識別が難しい高解像度な3D空間の把握において、LiDARは優位性を持ちます。
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センサー種類 |
仕組み・特徴 |
得意な検知対象 |
メリット |
デメリット |
|---|---|---|---|---|
| カメラ | レンズを通して視覚的な画像を取得する | 信号の色、標識の文字、路面の白線 | 白線や標識、信号の色など「視覚情報」の認識に強い | 夜間や悪天候(雨・霧・逆光)に弱く、正確な距離の測定が難しい |
| ミリ波レーダー | 電波を対象物に当てて反射を測定する | 周辺の車両(金属体)、遠方の障害物 | 悪天候や夜間に強く、遠くまでの距離や速度測定ができる | 解像度が低く、対象物の形状(人や自転車など)を正確に識別しにくい |
| LiDAR | レーザー光を照射し散乱・反射光を測定する | 歩行者、自転車、障害物の立体的な形状(落下物など) | 対象物までの正確な距離と形状を高解像度な「3D点群データ」として取得できる(夜間にも強い) | 悪天候(濃霧や大雪)時にレーザー光が遮られる場合がある、製造コストと小型化が課題 |
自動運転とは?自動運転レベル(0~5)の定義と現状
自動運転技術は、米国のSAE(自動車技術者協会)によってレベル0からレベル5までの6段階に定義されています。今後のモビリティ社会において普及の鍵を握るのは、運転の主体が「人間」から「システム」へと完全に切り替わるレベル3以上の実現です。現在、市販の車においては高速道路での運転支援などを可能にする「レベル2」の普及が広く進んでおり、特定の条件下でシステムが運転を代行する「レベル3」を搭載した車両も実用化され始めています。さらに、特定の地域や路線に限定した無人移動サービスなど、「レベル4」の社会実装に向けた取り組みも世界各地で進んでいます。
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レベル |
名称 |
運転操作の主体 |
概要 |
|---|---|---|---|
| レベル 0 | 運転自動化なし | 人間 | 運転者がすべての操作を行う(従来のアナログな運転) |
| レベル 1 | 運転支援 | 人間 | システムが前後(アクセル・ブレーキ)または左右(ハンドル)のどちらか一方をサポートする(自動ブレーキや前方車両への追従走行など) |
| レベル 2 | 部分運転自動化 | 人間 | システムがアクセル・ブレーキとハンドルの両方を同時にサポートする(高速道路での車線維持など) |
| レベル 3 | 条件付運転自動化 | システム(作動継続困難時は人間) | 特定の条件下(高速道路の渋滞時など)ですべての運転をシステムが行うが、システムの要請時には人間が速やかに運転を交代する必要がある |
| レベル 4 | 高度運転自動化 | システム | 特定の条件下(限定された地域や路線など)において、システムがすべての運転を完全に代行する(緊急時を含め、人間の関与なし/無人移動サービスなど) |
| レベル 5 | 完全運転自動化 | システム | 場所や天候などの制限なく、あらゆる状況下においてシステムがすべての運転を完全に代行する |
「自動運転のレベル分けについて」
自動運転(LiDAR)の課題
長距離測距
走行中の安全確保のために、広範囲かつ長距離での測距が求められます。長距離での危険をいち早く検知し、高速時でも障害物回避のための「リードタイム」を確保することが事故防止の鍵となります。
静粛性
LiDARはルームミラー裏など車室内に設置されるケースが増えています。乗員の快適性を損なう駆動音や振動を防ぐため、高い静粛性が求められます。
自動運転(LiDAR)を支えるミネベアミツミのソリューション
自動運転の「目」として重要な役割を担う各種センサー。ミネベアミツミは精密加工技術を生かした多様な製品群で、その進化に貢献します。危険をいち早く検知する長距離測距や、車室内設置で求められる静粛性といった課題に対し、高速応答の「LATM」や、非接触回転で静音性を高めた「FDBモーター」、軸ブレを抑える「カートリッジベアリング」を提供しています。これら中核部品を含むトータルソリューションを通じて、安全な自動運転社会を支えます。
LATM
Limited Angle Torque Motor。高速応答性を活かした、高精度・限定角度・往復駆動を実現しています。
LATMには高精度ベアリングを使用。
内製ベアリングを採用し、高い静粛性を実現しています。
軸ブレ・ガタを抑圧する高精度なカートリッジベアリングを使用。
HDDスピンドルモーターのFDB技術を用いた非接触回転による静粛性の実現しています。
可変トランスにより精密なインダクタンス制御が可能です。
ミネベアミツミはLiDAR用アクチュエーターを3タイプ展開
LATM
磁気ばねソリューションにより、往復駆動を実現したアクチュエーター。低消費電力。
ブラシレスDCモーター(ボールベアリング採用)
高分解能磁気式エンコーダーを搭載し、高精度に検知可能。
流体動圧軸受(FDBモーター)
非接触回転のため長寿命で高い静音性、薄型設計が可能。
よくあるご質問
QLiDARの実用化において、コネクタやコイルなどの「周辺部品」の品質が問われるのはなぜですか?
A
膨大な3Dデータを遅延なく伝送し、安定した電力を供給できなければ、高性能なセンサーも機能しないためです。
LiDARが取得した大容量の点群データを車両ECUへ一瞬で送信するには、ノイズに強く高速伝送が可能なコネクタが不可欠です。また、電圧変動を防ぐコイルやインダクターが高品質であって初めて、LiDARシステム全体の信頼性が担保されます。
Q車載環境の「電磁ノイズ」がLiDARに与える影響と対策はありますか?
A
高電圧機器からのノイズによる誤作動を防ぐため、「可変トランス」等を用いた電源の安定化が必要です。
EV(電気自動車)等の内部は電子機器が密集しており、電磁ノイズがLiDARの制御回路に干渉しやすい環境です。コイルや電源インダクターを適切に配置し、ノイズ環境下でも安定して稼働する設計が求められます。