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高圧ブロワ

省エネとハイパワーを両立。お客様の声から誕生した2000W ブロワ

徹底した見直しとブラッシュアップ。「70DCFシリーズ」の誕生。

「70DCFシリーズ」は2013年4月の発表以降、省エネとハイパワーを両立する高圧ブロワとして長くご好評をいただいています。
高圧ブロワには初期モデル「60DCFシリーズ」から全モデル共通して以下の特長があります。
・小型/軽量設計 : 床置きに縛られない自由な設置が可能です
・独立したブロワ部とドライバー部 : 必ずしもドライバーがブロワ付近にある必要はなく、自由な設計をしていただけます。またどちらかに問題が生じた場合は単独供給をすることも可能。業務停止を最低限にとどめることができドライバー一体型にはない高メンテナンス性を提供します。
ここでは、これらの特長に多くのお客様の声を反映した「70DCFシリーズ」の誕生についてご紹介いたします。

ブラシレスモーターの採用で産業機器の省エネに貢献

2015年頃から国内の産業用モーターに欧州に並ぶ水準の効率化が義務付けられ、消費電力の削減を促す規制がはじまりました。規制は三相誘導電動機のみでなく、産業界全体が高効率化の流れにありました。
ミネベアミツミの高圧ブロワでは初期モデル「60DCFシリーズ」からブラシレスモーターを採用し、ハイパワーの実現を図りながら、同時に高効率/省エネ化を念頭にお客様環境へ貢献してまいりました。「70DCFシリーズ」でも積み上げてきたノウハウを踏襲、ブラシレスモーターを採用いたしました。

課題:「よりパワーのある風が欲しい」

図1:既存60DCF-475(1200W)と要望特性

小型・軽量/ハイパワーの初期モデル「60DCFシリーズ」は現在も様々な分野のお客様に幅広い用途でご愛用いただいています。多くのお客様に長くお使いいただくうち「このままでより静圧を高く、より風量を多くしたシリーズが欲しい」とのご要望を相次いで受けるようになりました。
お客様の声を纏めると、「60DCFシリーズ」との比較で静圧/風量ともに約30%程度高めた特性にご要望が集中。これを次期モデルのターゲットに設定しました。

解決方法:徹底した見直しとブラッシュアップ

図2:高圧ブロワ概念図 (3つのファクターに分け、それぞれ徹底的に見直した)

すでに「60DCFシリーズ」で最高静圧19kPaの実力があることから、既存ブロワ部に少し手を加えることで"パワーのある風"を実現出来るかと試作を始めましたが、狙った特性が出せませんでした。
そこで解決策を模索する中、「70DCFシリーズ」の開発では部分的なパワーアップではなく、「60DCF」を3ブロックに分けてベースとし、各ブロックを徹底解析していくという手法をとることにしました。「ブロワ部」「モーター部」「ドライバー部」の三つに大きくブロック分けしたファクターの各部を一から丁寧に見直し、総合したときに製品全体としてお客様の要望特性が出せる改良を目指しました。

ブロワ部

羽の厚み、大きさ、段数、枚数、羽を覆うケーシングについても様々な組み合わせパターンの中から最適化したものでサンプル試作を重ね、ブロワ部自体の効率を4%上げることに成功しました。

モーター部

マグネットについては、昨今の流れをくみレアアースフリーとし、磁場解析を行い最適化を図りました。
またローターについては、インナーローター型高速ブラシレスモーターを得意としていた背景から、所有するノウハウと実績の蓄積データを活用し、「60DCFシリーズ」のアウターローター型のブラシレスモーターからインナーロータータイプへ変更することにしました。また、同時にハイパワーを出す場合にも振動対策がされるよう設計に配慮しました。
加えて他の解析、試作を度重ねる事で、最終的にはモーター単独効率約95%(弊社測定)を達成することが出来ました。

ドライバー部

ドライバー部では、トータル効率を約5%向上させることに成功いたしました。
これは電源部に用いているPFC(Power Factor Correction)部に新しい方式と素子を用い発熱を抑えた事(放熱フィンの小型化含む)と、モータードライバー素子の見直しを行った結果です。
また、お客様が使用される信号入力部分については、60DCFシリーズのお客様要望を取り入れ専用の速度コントロール入力用電源を出力し、外部に抵抗を接続するだけで駆動出来る様改善いたしました。
出力部分については回転速度パルス出力を独立し、各種エラー出力と分離して取り扱えるよう様に改善いたしました。
これらの入出力部は強化絶縁処置を施し、安全性確保をしております。

効果:システム全体で30%の効率アップ

図3:新製品「70DCF-371」の特性とお客様の要望特性

こうして「ブロワ部」「モーター部」「ドライバー部」の3つの大きなファクターをそれぞれ徹底して見直す事で、トータルの効率を約30%向上*1させる事が出来ました。
その結果として、製品特性はお客様の要望曲線を上回り、70DCF-371としての特性カーブを得ることができました。
ブラシレスブロワ最高峰のハイパワー最大静圧28kPa、最大風量4.8m3/min*2が確認されています。多くのお客様の声から各部を徹底的に解析することで、ハイパワーでありながら小型・省エネも実現する、理想の高圧ブロワ、新商品「70DCF-371」を誕生させることが出来ました。

*1 弊社従来機比較
*2 当社調べ

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