MinebeaMitsumi Bearings Room

ベアリングは「回転するものの軸を支えるための部品」で、軸受とも呼ばれます。普段あまり目にすることはありませんが、実はさまざまなものに使われている、私たちの暮らしを陰で支える重要な部品です。ベアリングの歴史は古く、古代メソポタミアで大きく重い石を運ぶ際に、ベアリングの原理が使われていたとする説があります。その後も馬車や運搬具など主に輸送手段においてベアリングは普及していき、15世紀末頃にはイタリアの芸術家レオナルド・ダ・ヴィンチがボールベアリングの基本的な構造をアイデアスケッチに残していたことが知られています。

18世紀後半、産業革命により機械工業が発達したことでベアリングの需要も高まり、ベアリングに関わる理論や軸受に適した鋼材が確立されたことで、ベアリング業界はさらに発展しました。第二次世界大戦後は日本国内でのベアリング製造も盛んになり、特に1950年代以降は家電の普及や自動車産業の成長をきっかけに、日本製ベアリングの精度や性能が飛躍的に向上しました。その後も日本を含め、世界のベアリング市場は成長を続けています。機械産業の発展とともに、ベアリングの市場規模は今後も世界的に拡大を続けていくことでしょう。

ベアリングはさまざまなものに使われており、自動車、鉄道車両、航空機、電気機器、各種産業機械など、その用途は数え切れません。これら産業の発展とともにベアリングの高性能化、さらには省エネルギー・省資源の観点から長寿命化・小型化・軽量化など要求は年を追うごとに高まり、さらなる技術開発に大きな期待が寄せられています。

ここではまずベアリングの概要に触れ、その役割や主な用途について解説していきます。

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