インジケータとは? アナログとデジタルの違いや用途を解説
インジケータとは?
アナログとデジタルの違いや用途を解説

インジケータとは、温度、圧力、重さ、電流、回転数など、測定したデータを視覚的に表示する装置のことです。
インジケータにはアナログとデジタルの2種類があり、それぞれの特性によって使い分けられています。
この記事では、アナログインジケータとデジタルインジケータの違いを紹介するとともに、それぞれの特徴や用途について解説します。
1. アナログインジケータとデジタルインジケータの違い
インジケータは、製造の現場で状況を瞬時に把握するために活用されています。測定したデータを視覚的に表示することで、現場での迅速な判断が可能です。
インジケータは、「アナログインジケータ」と「デジタルインジケータ」に分類できますが、その違いについて見ていきましょう
■アナログインジケータとデジタルインジケータの例


表示形式の違い
アナログインジケータとデジタルインジケータの違いとして、表示形式が挙げられます。
アナログインジケータは、円盤上の数値を針で示す、アナログ時計のような形状が一般的です。自動車のスピードメーターでよく見られるような、半円状のインジケータもあります。この表示形式の特徴は、測定値の変動や傾向を直感的に把握できることです。
一方、デジタルインジケータは、主に数字をデジタルディスプレイに表示させます。この表示形式は、細かい数値を読み取るのに適しており、高精度な測定が必要な場面や、データの記録・分析が求められる現場に欠かせません。
動作原理の違い
アナログインジケータとデジタルインジケータは、動作原理にも違いがあります。
アナログインジケータは、センサーから入力された電気量を針の動きで示す装置です。その構造は主に「駆動装置」「制御装置」「制動装置」の3つの要素で構成されています。 駆動装置は針を動かすトルクを発生させる役割を担い、制御装置はバネなどを用いて逆向きのトルクを作り出します。そして、制動装置が針の振動を抑え、トルクの釣り合い地点で針を停止させることで、測定値の変化に応じて針が滑らかに動き、直感的な読み取りを可能にするのです。
デジタルインジケータは、計測したデータをデジタル信号にし、数字などで示す装置です。まず、ロードセルやトルクメーターなどのセンサーでアナログデータを計測します。次に、このアナログデータをA/Dコンバータ(アナログ・デジタル変換回路)を用いてデジタル信号に変換。変換されたデジタルデータは、蛍光表示管やLCD(液晶ディスプレイ)、7セグメントLEDなどのディスプレイに数値として表示されます。この仕組みにより、デジタルインジケータは高精度な測定値を表示できるのです。
表示精度の違い
表示精度も、アナログインジケータとデジタルインジケータで異なります。
アナログインジケータは、針の位置や動きを見るだけで測定値の大まかな傾向や変化を把握することが可能です。一方で、測定値を詳細に読み取ることは難しく、高精度な測定が必要な場合には適していません。
アナログインジケータは、測定値の変動が激しい場合や、全体的な傾向を素早く確認したい場合に有効といえます。
デジタルインジケータは数値を高精度に表示できるため、読み間違いが極めて少ないという特徴があります。
さらに、小数点以下の桁数を表示切り替えできる機能を持つデジタルインジケータもあり、用途に応じて必要な精度で表示することが可能です。また、データの記録や分析が可能なモデルも存在します。これにより、分析や異常値の検出など、より高度な活用が可能です。
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メンテナンス性と耐久性の違い
アナログインジケータは構造がシンプルであることから、故障のリスクが比較的低く、環境の影響を受けにくい傾向があります。高温多湿の環境や、電磁ノイズの多い場所でも安定して動作しやすく、過酷な条件下での使用に適しているといえるでしょう。
ただし、長期間使用していると機械的な摩耗や経年劣化が発生するため、定期的な校正や調整が必要です。
一方、デジタルインジケータは高精度で多機能である半面、使用の際には電子部品の寿命や環境要因に注意を払わなければなりません。湿気や高温などの影響を受けやすく、測定精度が低下したり、故障したりする可能性が高まります。
使用シーンの違い
アナログインジケータは、化学プラントや電力設備のような高温多湿の環境で多く使用されています。これらの環境では、急激な変化や異常値を素早く検知する必要があり、アナログインジケータの耐久性や直感的な読み取りやすさといった特性が活かされているのです。
また、電源が不安定な場所や、強い電磁ノイズが発生する環境でも、安定した動作が期待できます。
デジタルインジケータは、研究開発の現場や、精密な計測が必要な製造ラインで広く使用されています。これらの場所では高精度な測定値が要求されることや、微小な変化を捉えなければならないことが多く、デジタルインジケータが有用です。
なお、データのデジタル化が進む現代では、ネットワーク連携が可能なモデルも多く登場しています。こうしたモデルは、複数の工場の生産状況を一元管理するといった、遠隔地からのモニタリングが必要な場所で重宝されています。IoT(Internet of Things:モノのインターネット)の発展に伴い、デジタルインジケータの活用範囲は今後さらに広がっていくでしょう。
2. インジケータが使われる場所と用途
インジケータは、製造業や医療現場、日常生活といったさまざまな場所で重要な役割を果たす機器です。ここでは、インジケータが使われる場所と用途を具体的にご紹介します。
工場など製造の現場
インジケータは、製品の安定した品質を管理することが求められる製造現場において重要な役割を担う機器です。例えば、自動車部品の加工ラインでは、部品の寸法が規格内であることを確認するために高精度のデジタルインジケータが使用されます。これにより、マイクロメートル単位の精度で部品の寸法を測定し、品質の均一性を保つことが可能です。
また、製造機械の回転数や温度を監視するためにも、インジケータが活用されています。これらのインジケータは、製造機械の異常を早期に検知し、故障や事故を未然に防ぐために欠かせません。
重量を測定し、デジタルで表示するインジケータは、製造工程での原材料の投入量や、完成品の重量を精密に把握し、製品の品質を担保するために使用されています。最新のモデルでは、測定データをリアルタイムで生産管理システムに送信することも可能で、生産効率の向上や品質管理の徹底に貢献しています。
医療現場
医療現場でインジケータが使用されているのは、患者の状態をリアルタイムで確認できる血圧計や酸素飽和度モニターなどです。これらの測定値は患者の健康や生命に関わるため、高精度で信頼性の高いインジケータが使用されています。
患者のわずかな変化を数値化し、医療スタッフに正確な情報を提供するインジケータは、医療現場になくてはならない機器といえるでしょう。
オフィスや家庭
日常生活の中でも、さまざまな形でインジケータが使用されています。例えば、オフィスビルのエネルギー消費量をモニタリングするシステムにもインジケータは必須です。ビル管理者はエネルギー使用状況をリアルタイムで把握でき、効率的な運用ができます。
家庭においても、エアコンの温度設定を表示するパネルや、洗濯機の残り時間表示など、さまざまな家電製品にインジケータが使用されています。インジケータは、生活を快適にするために必要な機器といえるかもしれません。
3. インジケータの導入をお考えなら、ミネベアミツミにご相談を
インジケータは、日常生活はもちろん、製造業や医療現場において数値を管理する上で重要な装置といえます。
ミネベアミツミの重量、荷重、圧力、トルク計測時のデジタルインジケータは視認性が良く、計重システムのコントロールやモニタリングなどの機能を備えた計測機器です。確かな技術と品質で、あらゆる計測・計装のニーズにお応えしており、産業・業種を問わず使用されています。
ミネベアミツミでは「計装用機器セレクションガイド」というウェブサイトをご用意しており、インジケータやトランスミッターなどの計装用機器の選定をサポートします。なお、作業環境に応じたカスタムも可能です。
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