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トルクメーターとは?

トルクメーターとは?仕組みや種類、選び方のポイントを解説

トルクメーターとは?仕組みや種類、選び方のポイントを解説

トルクメーターとは、軸にかかる「ねじりの力」を測定する機器で、身近な製品の品質管理や実験・研究において活躍しています。しかし、普段目にする機会がなかなかないため、具体的な測定の仕組みや、どのような場面で役立っているのかなどを詳しく知っている人は少ないのではないでしょうか。
ここでは、トルクメーターの仕組みや種類、使用シーンのほか、製品の選び方のポイントを解説します。

トルクメーターとはトルクを測る機器のこと

トルクとは、軸にかかるねじりの力(回そうとする力と止めようとする力)のことで、トルクを測定する機器をトルクメーターといいます。身近なものでいうと、工具を使ってネジを回すときや、ペットボトルのキャップを回して開けるときの力はトルクです。
トルクメーターは、軸に対する回転方向の力を数値として測定することができます。

例えば、軸に対して1mの位置から1Nの力をかけて軸を回そうとした場合、軸にかかる力は「1N(力)✕1m(距離)=1Nm(トルク)」です。
トルクは、力を加える位置が軸から遠いほど強くなります。

トルクメーターの仕組み

基本的なトルクメーターの仕組みとしては、動力側の回転軸と負荷側の回転軸とのあいだにトルクメーターを連結して回転させることで、ねじれの力であるトルクを測定します。
例えば、片側にはモーターなどの回転を伝える動力、もう片側にはタービンなどの回転を利用する機構を設置して、回転に必要な力を測ります。

トルクメーターの仕組み

トルクメーターは何に使われている?

トルクメーターは主に生産ラインでの品質管理や実験・研究目的で使用され、身近な製品の製造や開発に役立っています。具体的にはどのような場面で使用されているのか見ていきましょう。

家電や日用品

身近なものだと、オーディオのボリュームつまみを回すトルクや、リップクリームを繰り出すトルクが利用者にとって適切かどうかなど、操作性や利便性を確かめるためにトルクメーターが使われています。
操作性の評価や業界規格への適合など、品質管理を支える測定器として活用されています。

自動車やバイク

自動車やバイクのエンジン性能試験のほか、電気自動車やハイブリッド車のモーター性能試験でもトルクメーターが使われています。
エンジンやモーターでいうトルクとは回転力のことで、自動車やバイクの加速力や登坂力に影響します。自動車やバイクの出力(馬力)は「トルク✕回転数」で求められるので、エンジンやモーターの性能を測る際にトルクは重要な指標です。

自動車の駆動軸にトルクメーターを内蔵して、走行中にトルクを測る製品もあります。燃費などの環境性能がリアルタイムでわかるほか、故障検知など安全性の向上にも役立っています。

トルクメーターの仕組み

トルクメーターの種類

トルクメーターには、トルクの測定方法や本体の形状などによってさまざまな種類があります。特徴とともに、トルクメーターの種類を確認しておきましょう。

光伝送方式

光伝送方式のトルクメーターは、測定したひずみを電気信号に変換して、その電気信号を光信号に変換することでLEDを発光し、受光素子にて受信することでトルクを測ります。デジタル信号伝達によりノイズが少なくなるのがメリットです。

トルクメーターの形としては、フランジタイプと軸タイプがあります。フランジタイプは薄型なので、省スペースで設置できるのが特徴です。軸タイプは小型軽量設計のモデルなら、機械に組み込んで使うなど、自由度が高くなります。

■フランジ型トルク変換器「TMHSB」シリーズ(フランジタイプ)

フランジ型トルク変換器「TMHSB」シリーズ(フランジタイプ)

フランジ型トルク変換器「TMHSB」シリーズ(フランジタイプ)

小型軽量設計で、ベアリングレス構造による高回転を実現。アンテナ部に分割構造を採用したことにより取り付け、取り外しが容易です。

■低容量軸トルクメーター「TMRS」(軸タイプ)

低容量軸トルクメーター「TMRS」(軸タイプ)

低容量軸トルクメーター「TMRS」(軸タイプ)

低容量(0.5Nm)でありながら高精度・高速回転に対応。応答性も高く、急峻なトルク変動もキャッチします。

軸タイプ回転トランスフォーマー方式

軸タイプ回転トランスフォーマー方式とは、電源供給用と信号伝達用の2組のトランスによる電磁誘導方式のトルクメーターです。電磁誘導で非接触信号伝達が可能になることで高回転に対応し、メンテナンスフリーといったメリットもあります。

■トルク変換器「TMNR」シリーズ

トルク変換器「TMNR」シリーズ

トルク変換器「TMNR」シリーズ

低容量(10Nm)から高容量(10kNm)まで豊富なラインナップ。非接触信号伝達方式により面倒なブラシ交換が不要で、メンテナンスの負荷を軽減しています。

低容量スリップリング方式

低容量スリップリング方式では、スリップリング(銀リング-ブラシ)で信号を伝達することでトルクを測ります。微小トルクの検出が特徴です。

■低トルク用トルク変換器「TMBN」シリーズ

低トルク用トルク変換器「TMBN」

低トルク用トルク変換器「TMBN」

微小なトルクの検出に適したシリーズ。省スペースで設置できる小型・軽量設計になっています。

トルクメーターの選び方

トルクメーターを選ぶときには、まず測りたいトルクや回転スピードがどのくらいなのかを確認しましょう。製品によって許容過負荷や最高回転数が異なるため、測りたいトルクに合った製品を選びます。

また、トルクメーターの設置場所についても注意が必要です。正しくトルクを測定するには、トルクメーターの左右に連結する軸が、一直線になるように設置することが大切なので、トルクメーターの設置スペースが適切に確保できるかチェックします。
また、使用環境の温度がトルクメーターの許容範囲内に収まっているかどうかも確認しましょう。

トルク測定に必要なものは?

トルクの測定には、トルクメーターからの信号を受け取り、数値として表示する機器が必要です。トルクメーターに接続して測定値をデジタル表示するほか、信号を出力します。出力した信号は測定システムの制御・監視に使用します。

■光伝送方式トルク変換器専用トランスミッター「OPT-564」

光伝送方式トルク変換器専用トランスミッター「OPT-564」

光伝送方式トルク変換器専用トランスミッター「OPT-564」

光伝送方式のトルクメーター専用のトランスミッター。トルクメーターから信号を受け取り、トルクや回転数をデジタルで表示します。

トルクメーターをお探しなら、豊富な製品ラインナップを誇るミネベアミツミにご相談を

ねじりの力であるトルクを使った製品は身近にあり、トルクメーターは製品の品質管理や研究開発などさまざまなシーンで活躍しています。トルク測定の目的によって適した製品が異なるため、トルクメーターの導入には専門知識が不可欠です。

ミネベアミツミの製品は、光により信号を伝達するフランジタイプと軸タイプのトルクメーターや、軸タイプ回転トランスフォーマー方式のトルクメーターなどラインナップが豊富で、目的に合ったトルク測定、トルク計測システムの構築が可能です。
新製品の低容量軸トルクメーター「TMRS」では、低容量(0.5Nm)、高精度、高速回転タイプでありながら、小型軽量を実現しています。最新かつ多様なトルクメーターから、お客様のニーズに合わせたアドバイスやご提案が可能です。トルクメーターの導入をご検討の際は、お気軽にご相談ください。

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