引張圧縮試験機とは?
電気機械式万能試験機の原理や構造を解説
引張圧縮試験機とは、1台で引張強度試験と圧縮強度試験をすることができる装置です。引張圧縮試験機では、材料や製品の強度などを測定・評価できるため、幅広い業界や場面で使われています。
例えば、大学や各種研究機関といったアカデミックな環境のほか、企業のR&Dセンターといった技術研究・開発部門で、次のような用途で使用されています。
<引張圧縮試験機の主な用途>
- 新しい素材や材料、製品の開発
- 不良や事故の解析
- 材料試験や試験法の確立
- 製品の性能評価
また、メーカーの製造・品質保証部門などで、各種品質検査や品質保証のために利用されることも多いようです。
1. 引張圧縮試験機とは、対象物の物性を評価するための装置
引張圧縮(ひっぱりあっしゅく)試験機とはその名のとおり、対象物(材料や製品)に引張または圧縮の力を加えることで、各種試験を行う装置です。1台で複数の試験を行えるため、万能試験機とも呼ばれます。
試験の対象となるのは、金属、ゴム、繊維、プラスチック、建築などの材料や部品、そして製品そのものです。耐力、強度、弾性率、伸びといった物性(物理的性質)や機械的性質を数値化して評価することができます。
引張圧縮試験機は、それぞれ専用のジグに取り替えることで、引張試験や圧縮試験以外にも、曲げ試験、せん断試験、はく離試験、摩擦試験といったさまざまな試験を行うことができます。
引張圧縮試験機にはさまざまな種類がありますが、利用されている現在の試験機は、「油圧式引張圧縮試験機」「電気機械式引張圧縮試験機」の2タイプに大別されます。ミネベアミツミでは、電気機械式を製造、販売しています。
電気機械式引張圧縮試験機の力検出器には、フォースセンサーの一種であるロードセルを使います。
電気機械式引張圧縮試験機の基本的な構成
電気機械式の引張圧縮試験機は、対象物(材料や製品)に適したジグと、力を測定するロードセルなどで構成されるのが一般的です。
2. 引張試験の目的と測定方法
まずは、引張試験の目的や測定方法について解説します。
引張試験の目的
引張試験は、引っ張って使用することが想定される素材や材料の性能検査、品質検査といった目的で行われることが一般的です。材料や部品・製品の寿命、安全性、耐久性などを数値化することで、品質を担保することができます。
例えば、ヤング率(縦弾性係数)や破断伸びといった機械的性質は、製品の機能向上や安全性担保のための重要な要素であり、引張圧縮試験機を使用することで、数値化できます。
ユニークなところでは、骨や筋肉、皮膚といった生体組織の強度評価のほか、人工関節や人工心臓弁、ドレーン(各種チューブ類)といった医療機器においても引張試験が行われる場合もあります。
引張試験の測定方法
引張試験は主に、金属、ゴム、繊維、プラスチックといった素材や材料などに対して行われます。材料の機械的性質を確認する材料試験の一環として実施されることが多く、性能検査や品質検査を行う上で重要な試験のひとつです。
引張試験の具体的な手順は、まず対象となる材料を決められた形状にします。次に、引張圧縮試験機にチャック(グリップ)というジグで取り付け、上下方向に引っ張ります。
3. 圧縮試験の目的と測定方法
つぎに、圧縮試験の目的や測定方法について解説します。
圧縮試験の目的
圧縮試験は、重さがかかることが想定される対象物の性能検査、品質検査といった目的で行われることが一般的です。
研究機関またはメーカーなどで、材料の圧縮に対する機械的性質を調べる場合や、どの程度圧縮されたら対象物が破壊されるか、あるいは性能を失うかを調べるための試験などで利用されています。
段ボール箱やコンテナ、建築物に使われるコンクリートや金属部材など、一つひとつの強度や耐久性も、引張圧縮試験機を使って数値化できます。
圧縮試験の測定方法
圧縮試験は、先程引張圧縮試験の必要性で述べたように、材料に対して行うこともありますが製品に対しても行われます。
圧縮試験の具体的な手順は、まず引張圧縮試験機に圧盤・耐圧盤というジグを取り付けます。次に対象となる材料や製品を設置し、上下方向から圧縮します。
4. 引張圧縮試験機をお探しなら、豊富な製品ラインアップを誇るミネベアミツミにご相談を
新しい素材や材料の開発、製品のさらなる改善・改良のためには、さまざまな試験が必要です。引張圧縮試験機の測定結果により、私たちの日々の暮らしや利用する製品の安心や安全は守られているといえるでしょう。
ミネベアミツミでは、卓上サイズから大型まで、さまざまな用途に合わせた電気機械式引張圧縮試験機を取り揃えています。また、引張圧縮試験機と組み合わせて利用できるデータ処理ソフトウェアもご用意していますので、お気軽にご相談ください。
引張圧縮試験機の導入をご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください。
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