1. 技術情報
  2. 計測機器
  3. ひずみゲージ

ひずみゲージとは?

ひずみゲージとは?仕組みや種類、選び方のポイントを解説

ひずみゲージとは、物体が引っ張られたり圧迫されたりしたときの「ひずみ(変化量の割合)」を測定するセンサー部品です。航空機や鉄道、製鉄や土木・建築業界のほか、臨床医学やリハビリテーションの現場でも幅広く使用されています。ひずみゲージはとても小さく、目にする機会はほとんどないため、実際にはどのように使用されているのか、イメージできない人も多いのではないでしょうか。
ここでは、ひずみゲージの仕組みや使用シーンのほか、測定時の使い方や製品の選び方のポイントを解説します。

ひずみゲージとは物体のひずみを測定するセンサー部品のこと

ひずみゲージとは、物体のひずみを測定するセンサー部品のことです。物体を引っ張ったときに伸びた量や、圧迫したときに縮んだ量を変化量といいます。物体のもとの長さに対する変化量の割合がひずみです。
ひずみを測定することで、例えば金属部品の強度の限界がわかったり、荷重・圧力・トルク(軸にかかるねじりの力)などの物理量を明らかにしたりできます。製品の品質管理や研究・開発などのさまざまな場面で、ひずみゲージは広く使用されています。
ひずみゲージはとても小さいので、ひずみを測定する際にひずみゲージ自体の質量を無視できるのも特徴です。金属やプラスチックなど、測定する対象に接着剤などで直接貼り付けて使用することができます。

1. ひずみゲージの構造

ひずみゲージは、電気絶縁物(ポリイミドなど)のベースの上に、金属箔の抵抗体を貼り付けて、シリコンなどでコーティングした構造です。金属箔の抵抗体で負荷を感知してひずみを測定します。サイズは製品によって異なりますが、ゲージ部分の長さは数mm単位と小さくなっています。

2. ひずみゲージの仕組み

ひずみゲージは、物体に力がかかり伸び縮みすると電気抵抗が変化するという仕組みを使って、ひずみを測定対象に力がかかって伸縮した場合、測定対象に貼り付けてあるひずみゲージの金属箔の抵抗体も、測定対象に比例して伸縮します。抵抗体の伸縮で変化する電気抵抗値の変化を読み取ることで、ひずみを測定しているのです。

3. ひずみゲージは何に使われている?

小型で軽量ながら測定精度が高く、比較的安価なひずみゲージは、製品の強度試験や生産工場での荷重測定のほか、身近な製品に使用されています。具体的な使用例を見ていきましょう。

体重計やはかり

デジタル式の体重計やはかりの中にも、ひずみゲージが使われています。人や物がのったときのひずみゲージの抵抗値を数値化して、体重や重さを表示しています。

パソコンのポインティングスティック

パソコンのポインティングスティックは、指で力をかけることで生じるひずみをひずみゲージで検出することで、カーソルを上下左右の動かしたい方向に移動させることができます。

スマートフォンの落下試験

スマートフォンの落下時の衝撃に関する強度試験においても、ひずみゲージが使われています。試験用のスマートフォンにひずみゲージを取り付け、落下時の加速度やひずみを計測します。

トルクメーター

軸にかかるトルク(ねじれの力)を測定するトルクメーターには、ひずみゲージが 使用されています。ねじれが生じるとひずみゲージが伸び縮みして抵抗値が変化し、その変化を電気信号に変換することによってトルクを測定しています。

4. ひずみゲージの使い方

ひずみゲージは基本的に、ひずみを測定したい対象に貼り付けて使います。貼り付け方によっては測定誤差が生じるため注意が必要です。
まず、貼り付け箇所の表面をきれいに洗浄する必要があります。油分を除去するために脱脂溶剤を使用します。ひずみゲージをピンセットで持ち上げ、気砲が残らないように接着剤などで貼り付けます。接着剤が固まったら、適切な防湿処理をおこなってください。

5. ひずみの測定に必要な機器

ひずみゲージで測定できる抵抗値は非常に小さいため、ひずみを計算する際には抵抗値を電圧に変換します。ひずみを電圧に変換して数値として表示するには、ひずみ測定器の接続が必要です。ひずみ測定器は、ひずみゲージからの信号を受け取って増幅し、数値をデジタル表示します。

直流増幅方式動ひずみ測定器「DAS-406C」

高感度とDC~200KHzのワイドな周波数特性を備えたひずみ測定器。ひずみだけでなく、応力、圧力、トルク、振動、加速度などを測定できるほか、簡易型の計装アンプなど幅広い用途に使用できます。

ブリッジボックス

ブリッジボックスは、ゲージがひずみを受けて生じる微小な抵抗値の変化を、ホイートストンブリッジ回路を利用して効率良く電圧に変換します。端子にひずみゲージのリード線を接続し、プラグ部分を各種測定器に接続して使用します。

ひずみゲージの選び方

ひずみゲージは、ゲージ部分の長さが0.2mm程度のものから8mm程度のものまで、サイズが多様です。製品によって抵抗値も異なるため、測定対象に合ったものを選びましょう。

また、素材や接着剤の使用可能な温度範囲も異なります。測定対象が高温になる場合や、過酷な環境での測定など、測定する環境に温度変化があるかどうかで製品を使い分ける必要があります。

例えば、ミネベアミツミのポリイミド箔ひずみゲージなら、加熱硬化型接着剤と耐熱線・端子を使用した場合、温度範囲は-50℃から200℃まで対応が可能です。

一方、エポキシ箔ひずみゲージを使用する、もしくはポリイミド箔ひずみゲージでも接着剤などが温度対応していなければ、温度範囲は-30℃から70℃までになります。

6. ひずみゲージをお探しなら、豊富な製品ラインナップを誇るミネベアミツミにご相談を

ひずみゲージは、製品の強度試験など研究・開発の現場のほか、体重計など身近な製品の部品のひとつとして使われています。測定精度の高さと取り扱いの手軽さから、多分野で用途が広がっています。

ミネベアミツミのひずみゲージは、感度・安定性・疲労寿命に優れ、使用可能な温度範囲も広く、さまざまなシーンでのひずみの測定に対応が可能です。

また、FEM解析により、二素子(ハーフブリッジ)や四素子(フルブリッジ)など、測定対象に最適な抵抗体のパターンの設計・ご提案が可能です。カスタム対応をご希望される方はお問合せください。

カスタム例
  • ゲージパターンの設計
    ゲージパターンの
    設計
  • ゲージパターンの配置変更
    ゲージパターンの
    配置変更
  • ゲージタブの配置変更
    ゲージタブの
    配置変更
  • ビニル線長の変更
    ビニル線長の
    変更
  • 単素子
    単素子
  • 二素子(ハーフブリッジ)
    二素子
    (ハーフブリッジ)
  • 四素子(フルブリッジ)
    四素子
    (フルブリッジ)
  • ダイヤフラム型四素子(フルブリッジ)圧力センサー等
    ダイヤフラム型
    四素子(フルブリッジ)
    圧力センサー等
  • 矢羽根型二素子(ハーフブリッジ)せん断・トルク等
    矢羽根型
    二素子(ハーフブリッジ)
    せん断・トルク等

お客様の用途・精度に合わせた形状を弊社にて設計し、安定した高品質の量産体制により供給いたします。

ひずみゲージの導入をご検討の際は、お気軽にご相談ください。

関連ページ

サポート・お問い合わせ

各種製品に関するお問い合わせや技術的なご質問、各種資料のお取り寄せなど、各製品担当者がお答えいたします。

テクニカルサポートフリーダイヤル

計測機器製品の技術的なサポートが必要な際は、以下のフリーダイヤルにお電話ください。
購入・見積・修理のご依頼は、お問い合わせフォームよりご連絡ください。

0120-950008

受付時間:09:00~12:00、13:00 ~ 16:45土日・祝日・年末年始、及び弊社休日を除きます