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フォースセンサー(荷重センサー)とは?

フォースセンサーとは?
種類や用途、測定原理を解説

フォースセンサーは、さまざまな力や荷重の大きさを測定するセンサーの総称です。体重計のようにシンプルに重さを測るものから、パイプの中を流れる水流の圧力を測るもの、ロボットの指先に多方向からかかる力を同時に測定するものまで、多種多様な製品があります。
ここでは、フォースセンサーの具体的な種類のほか、どのような場所や用途で使われているのかについて解説します。併せて、フォースセンサーの測定原理についても詳しく見ていきましょう。

1. フォースセンサーとは、力を感知・測定するセンサーのこと

フォースとはエネルギーや力を意味し、センサーは検知や検出することを意味します。この2つの言葉を合わせたフォースセンサーは、対象物に働いている力を電気的に感知したり、測定したりするセンサーのことです。

フォースセンサーは工場の生産ラインなどで利用されているほか、最終製品に組み込まれていることもありますが、基本的な測定原理や構造は共通です。
用途や使用場所などにより、大きさも形状も多種多様なタイプが開発されています。例えば、いかにも機械部品というような形状のフォースセンサーがある一方で、パイプに巻き付けて圧力を測ることができるシート状のフォースセンサーもあります。

2. フォースセンサーの種類と用途

フォースセンサーには、ロードセルやトルクセンサー、圧力センサーといった種類があり、目的や場所によって使い分けが可能です。 それでは、具体的にどのような種類のフォースセンサーがあるのか、代表的なものをご紹介します。

ロードセル

ロードセルは、ひずみゲージというセンサー部品を使用したフォースセンサーです。「荷重変換器」とも呼ばれ、測定目的により各種測定器を接続し、対象部に加わっている力の表示や記録、制御、管理などを行います。

ロードセルの用途は、工業、医療、航空宇宙や一般の人々が使っている家電製品まで、幅広いのが特徴です。具体的には、車両ならびに車両の積み荷を測定するトラックスケール、タンク内の物質を測るタンクスケール、生産ラインにおける各種計量や強度評価などのセンサーなどがあります。そのほかの身近な用途としては、体重計、ゲーム機、各種家電などです。

トルクセンサー

トルクセンサーは軸に発生するねじりを計測するセンサーで、「トルク変換器」「トルクゲージ」「トルクメーター」とも呼ばれます。トルクとは、固定されている回転軸に対して物体を回転させたときに生じる力であり、回す・ひねる力のこと。例えば、ペットボトルやビンの蓋を開ける際に働く力もトルクです。

トルクセンサーは自動車のエンジン、モーター、トランスミッションなど、各種パワートレイン系の駆動部のトルク測定で使われることが多く、車やバイクなどが好きな方にはなじみがあるのではないでしょうか。そのほか、工場などの生産ラインにおいてトルクを正確に測りたい場合などにも使われています。

力覚センサー

ロードセルやトルクセンサーが一定方向に働く力を測定するのに対して、力覚センサーは、ある1点に複合的に作用している複数軸の力を測定することができるフォースセンサーです。

力覚センサーは、高度かつ臨機応変な対応が求められるシーンで使われることが多く、一般的にはロボットアームの先端部分、指先などに搭載することで、触覚センサーの役割を果たします。また、キーボードなどの入力装置において、オペレーターがキーを押したかどうかを判定するためのセンサーとしても使われています。

近年、まるで人の指先のような精度の高い感覚を備えたロボットが登場し、人にしかできなかった繊細な作業をロボットが代わりに行うことが増えてきました。これには、力覚センサーが貢献しているといっても過言ではありません。

なお、ミネベアミツミでは、X、Y、Zと3方向に働く力を測定する3軸タイプや、この3軸にトルクを掛け合わせ、6軸を計測できるタイプをご用意しています。

圧力センサー

圧力センサーは「圧力計」とも呼ばれ、配管や装置の中を流れる油や水といった流体の圧力や摩擦力を測定することに特化したフォースセンサーです。自由度の高い設計が可能で、パイプに巻き付けて利用するケースも多いことから、薄型フィルムのような形状をしている製品もあります。
圧力センサーは、水力発電所における水圧測定、油圧を測定する工場、ガスの燃焼圧力測定、高圧滅菌装置などで使われています。

3. フォースセンサーに採用しているひずみゲージの特徴

フォースセンサーにはたくさんの種類があり、測定原理もさまざまです。主な測定原理には、ひずみゲージを利用する「ひずみゲージ式」、半導体結晶における機械的なひずみを利用する「ピエゾ抵抗方式」、2枚の水晶板を利用する「圧電式」などがあります。
ここでは、ミネベアミツミのフォースセンサーに採用しているひずみゲージについて詳しく解説していきます。

ひずみゲージの仕組みと構造

ひずみゲージは、金属物質が外から働いた力などにより伸びたり縮んだりしたときに抵抗値が増減する仕組みを利用したセンサー部品です。この部品を使ったフォースセンサーをひずみゲージ式といいます。

ひずみを測定する原理

ミネベアミツミでは、歪(ひずみ)を発生させる起歪体(きわいたい)という部品に、約6μm(0.006mm)厚の金属抵抗箔にパターンをプリントし、エッチング加工したひずみゲージを貼り付けることで、対象物に働く力を正確に測定しています。

ひずみゲージの一般的な構造

なお、対象物のひずみによる抵抗値の変化は、極めて微少です。そのため、ひずみゲージでは「ホイートストンブリッジ」という電気量の測定回路を利用することで、測定を可能にしています。

ひずみゲージの自己温度補償

フォースセンサーの正確な測定には、ひずみゲージの温度に対する調整が必要です。というのも、実際に対象物に働く力にひずみゲージ式のフォースセンサーを接着させ測定を行うと、ひずみゲージの金属抵抗体と測定対象物の膨張差により、温度による見かけひずみ、つまり誤差の原因となる因子が生じるからです。

しかし、このような因子も、ホイートストンブリッジ回路を利用すれば取り除くことができます。この回路を利用したひずみゲージを自己温度補償型といい、ミネベアミツミのひずみゲージ全製品がこのタイプです。
そのため、ミネベアミツミのひずみゲージ式フォースセンサーであれば、さまざまな温度環境下で使用することができます。

ひずみゲージのメリット

ひずみゲージのメリットは、感度、安定性、堅牢性に優れるとともに取り扱いが容易なため、金属やプラスチックをはじめとする多くの物質に利用できることです。
こうしたメリットを持つひずみゲージを採用したフォースセンサーは、幅広い分野で利用されています。

ひずみゲージの仕組みや種類、選び方のポイント

4. フォースセンサーをお探しなら、豊富な製品ラインナップを誇るミネベアミツミにご相談を

フォースセンサーは原理こそシンプルですが、さまざまな用途に適した製品があります。そのため、フォースセンサーの利用を検討している方は、まずはどのような用途に使いたいのかを考えるといいでしょう。

ミネベアミツミでは、この記事でご紹介したようなフォースセンサーはもちろん、各種計測機器を豊富に取り揃えています。フォースセンサーの導入をご検討の際は、お気軽にご相談ください。

導入をご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください。

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