圧力センサー
圧力センサーはダイアフラムにより気体や液体の圧力を測定し、電気信号に変換を行い出力します。測定したデータはデジタルにて出力するタイプと、アナログにて出力するタイプの2種類があり、目的や用途によって使い分けます。ここではミネベアミツミの圧力センサーが持つ特徴と活用事例について紹介します。
圧力センサーとは
圧力センサーとは、圧力を電気信号に変換・出力する装置で、主に圧力を電気信号に変換する感圧素子と、その電気信号を処理する信号処理ユニットで構成されています。圧力センサーは幅広い機器に搭載されており、血圧計から宇宙ロケットまで、各種圧力を測る装置としてさまざまな産業機器や医療機器に活用されています。圧力センサーの種類はMEMS方式や抵抗膜方式、静電容量方式、圧電素子方式、光学方式と様々です。
MEMSを使った圧力センサー
MEMSを使った圧力センサーは主に、感圧素子としてピエゾ抵抗素子を使った「ピエゾ抵抗式」と電極による静電容量の変化を検出する「静電容量方式」があり、どちらもダイヤフラムと呼ばれる薄膜のたわみによって圧力を測定します。
MEMSを使った圧力センサーは量産性に優れており、小型で消費電力を抑えられるため、スマートフォンなどのモバイル機器を中心に広く活用されています。また、微小な圧力変化にも素早く反応できるという特性もあり、微弱な圧力を正確に測定する必要がある医療機器などにも搭載されています。
圧力センサーの活用事例
圧力センサーは自動車から医療まで、幅広い分野で活用されています。
自動車では油圧ブレーキなどのブレーキシステムに使用され、また医療分野では患者の体内の圧力を正確に測るため、各種カテーテルや血圧計に使われています。さらに洗濯機の水位検知やドローンの高度制御など多岐にわたって活用されています。
ミネベアミツミの圧力センサー
ミネベアミツミで扱う圧力センサーはMEMS技術や歪みゲージの技術を使って製造しており、インターフェースの出力形式もアナログとデジタルにわかれているのが特徴です。
特徴
ミネベアミツミの圧力センサーは-50kPaから50000kPaまでの測定範囲に対応しており、半導体で扱っているMEMSを使った圧力センサーは-50kPaから50kPaまでの領域で使用されています。
また、ミネベアミツミの圧力センサーの特徴として、インターフェースの出力形式がアナログとデジタルの2種類用意されている点があります。またラインナップの1つとして微圧を測定できる微圧センサーを開発しており、従来の圧力センサーの圧力測定誤差が±266Paに対し、微圧センサーは±40Paとなっており、より精度の高い測定が実現できるようになります。
製品紹介
MMR901 | MMR902 | MMR906 | MMR920 | MMS901 | |
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動作圧力範囲 [kPa] | 0~40 | 0~40 | 0~60 | ±1.96kPa/±3.92kPa ±6.86kPa/±9.80kPa |
-50~50 |
分解能 [Pa] | 3.3 (0.025mmHg) |
2.7 (0.02mmHg) |
3.3 (0.025mmHg) |
0.002cmH2O | - |
圧力精度 [Pa] | ±266 (±2.0mmHg) |
±266 (±2.0mmHg) |
±266 (±2.0mmHg) |
±1.0%FS | - |
オフセット電圧 [mV] | - | - | - | - | -2.5±4.0 (±4.8kPa) |
スパン電圧 [mV] | - | - | - | - | 42.0±5.5 (±6.5kPa) |
パッケージサイズ [mm] | 7.0×7.0×7.2 | 7.0×7.0×7.2 | 5.0×6.0×7.2 | 7.0×7.0×7.2 | 6.1×4.7×8.2 |
インターフェース (出力形式) | SPI | SPI/I2C | SPI | SPI/I2C | Analog |
消費電流 [mA] | 0.69 | 0.69 | 0.64 | 0.8mA | 0.1 |
動作温度範囲 [deg C] | 0~60 | 0~60 | 0~60 | -40~85 | -20~100 |
採用事例
血圧計をはじめとした医療機器でのカフ圧測定などに使用されているほか、ガスメーターの漏れ検知や異常圧検知、燃料供給圧の検知に採用されています。さらにはサファイア基板上にシリコン膜を結晶成長させるSOS技術(Silicon on Sapphire)を用いた圧力センサーがH-ⅡAロケットに搭載された実績があるほか、ドローンの高度制御などで採用されています。