誘電損失とは、交流電流が誘電体(絶縁体)を通るときにエネルギーが失われる現象です。交流電流を誘電体に印加すると、誘電体の中でエネルギーが熱に変換されて失われてしまいます。
誘電損失が大きい材料は熱が発生しやすく、高温になると材料の特性が変化して効率が悪くなるなど、信号品質が低下する主な原因です。そのため、高周波信号を伝送する際には、誘電損失の少ない材料を使用することが重要になります。
誘電体の誘電損失を評価する指標には、誘電正接(Tanδ)というパラメータが一般的です。誘電正接の値が小さいほど、誘電損失が少なく、材料の性能が高いことを示します。