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X線検査装置とは?

X線検査装置とは?
検査の仕組みや装置の種類、使用例を解説

X線検査装置とは?

X線検査装置は、食品の異物検査、医療診断、空港のセキュリティチェック、工業製品の品質管理など、幅広い分野で重要な役割を果たしています。
この記事では、X線検査装置の基本的な仕組みと主な種類、具体的な使用例についてわかりやすく解説します。

1. X線検査装置とは、物体内部の検査を行う装置のこと

X線検査装置は、X線を利用して物体内部の画像を取得し、検査や分析を行うための装置です。X線は、非常に短い波長を持つ電磁波の一種で、物質を透過する性質があるため、目視では確認できない物体内部の状態を高精度で検査できます。
このことから、X線検査装置は食品製造、医療、セキュリティ、産業検査など、さまざまな分野で広く使用されています。

原子の隙間を透過できるX線

X線は放射線の一種です。一般的に放射線というと粒子線と電磁波の2種類のことを指し、X線は電磁波に分類されます。粒子線と電磁波はいずれもエネルギーを持ちますが、粒子線には質量があり、電磁波には質量がありません。

X線は電波や可視光線よりも波長が短いため高いエネルギーを持ち、物質を構成する原子の隙間を透過します。
例えば、X線よりも波長が長い紫外線は物質を透過しにくいため、帽子や日傘などでもある程度遮ることができますが、X線は波長が短いため、多くの物質を透過することが可能です。X線の透過率は物質によって異なり、原子番号と密度が小さいものは透過しやすく、大きいものは透過しにくい性質を持っています。

原子番号が大きいものというと、銀(47番)や鉛(82番)が挙げられます。レントゲン検査に使用されるのもX線ですが、撮影の際に金属を外すように指示されるのは、X線が金属類を透過しづらく、正しく撮影できなくなるためです。

X線を利用して画像を取得する仕組み

現代ではX線の特徴を利用して、物体内部の画像を取得する仕組みが確立されています。

X線フィルムはX線を照射すると、色が黒く変化します。X線とX線フィルムのあいだに対象物を置くことで、X線が透過しやすい部分は黒く変化し、透過しにくい部分は白く残るので、このコントラストによって画像が取得できるのです。

■X線検査装置の仕組み

X線検査装置の仕組み

この仕組みを利用して、製品の中の異物を発見する機器がX線検査装置です。
検査対象の製品をX線検査装置に通したとき、製品全体のX線透過度と異なる部分があれば異物として検出します。異物は密度が大きく、X線の透過率が低いほど検出しやすくなります。金属検出機と違い、金属以外の硬質なもの(ガラス、石、骨、貝殻など)でも検出できることが特徴です。

2. X線検査装置の種類

X線検査装置は、X線照射の方式によっていくつかの種類があります。主なX線検査装置の種類と特徴は、下記のとおりです。

■X線検査装置の主な種類と特徴

スクロールできます

X線検査装置の種類

画像取得の方法

特徴

ミネベアインテックの製品名

シングルビュー型 単一の視点からX線を照射し、画像を取得する。 上部照射式と水平照射式があるが、複雑な形状の検査には向かない。構造がシンプルで、比較的コストを抑えられる。
マルチビュー型 複数の視点からX線を照射し、多角的な画像を取得する。 物体内部の詳細な構造を把握できるため、精度の高い検査が可能。シングルビュー型に比べて構造が複雑で、コストが高め。
CTスキャン型 X線をさまざまな角度から照射し、断面画像を取得して立体的な構造を再構築する。 内部の詳細な構造を高精度で観察できる。医療分野で広く使用されるが、装置は比較的高価。
デュアルエナジー型 異なるエネルギーのX線を複数使用して画像を取得。 異なる素材の同時識別ができ、特にセキュリティや工業分野での異物検査に有効。高度な解析能力を持つ一方、装置は高価。

3. X線検査装置で可能な検査の種類

続いては、X線検査装置で行える検査の種類を紹介します。いずれも製造業にとって、消費者の安全を守るために欠かせない検査です。

異物検査

異物検査では、食品や製品に混入した金属、ガラス、プラスチックなどを検出します。異物検査は食品の安全管理や製品の品質管理において重要で、X線検査装置の主要な用途のひとつです。

員数検査

員数検査では、X線で取得した画像によりパッケージ内の製品数を正確に数え、不足や過剰をチェックします。透明でない包装でも内容物の数を確認できるため、効率的な品質管理が可能です。

質量検査

質量検査は、X線の透過量を利用して製品の質量を推計し、規定範囲内かを確認します。製品の質量を非接触で測定できることが特長です。

ボイド検査

ボイド検査では、製品内部の空洞や欠損部分を検出し、品質を保証します。食品や医薬品の包装内の空気層や、製造過程での不具合による内部の空洞化の発見が可能です。

形状検査

形状検査は、製品の外観形状を確認し、規定のサイズや形状と一致しているかを評価します。包装された状態でも製品の形状を確認できるため、効率的な品質管理が可能です。

充填検査

充填検査は、容器内の内容物の充填状態を確認し、適切な量が充填されているかをチェックします。最終製品が液体や粉体の場合に有用です。

4. X線検査装置の食品分野への使用例

X線検査装置は、さまざまな分野で使用されています。ここでは、主に食品中の異物検査で使われるX線検査装置をご紹介します。

食品分野や製造分野でのX線検査装置の代表的な用途は、製品の員数不足や内容不足、割れ・欠けを発見することなどです。例えば、クッキーの割れや欠け、ペットボトル飲料の内部異物検査が挙げられます。また、製品だけでなく、包材の異常(折れ曲がり、内容物の噛み込みなど)も検知可能です。これらの検査により、品質管理の精度が向上し、安全な食品を提供することができます。

食品業界では、消費者の安全を確保するために、異物混入のリスクを最小限に抑えることが求められています。X線検査装置は、金属探知機では検出が難しいガラス、石、プラスチックなどの異物も高精度で検出することができます。これにより、製品のリコールやブランドイメージの損失を防ぐことができ、企業にとって重要なリスク管理ツールとなっています。

さらに、X線検査装置は、製品の均一性や品質を保証するための重要な役割も果たしています。例えば、チョコレートバーの中にナッツが均等に分布しているかを確認したり、冷凍食品の中に空気が入っていないかをチェックすることができます。これにより、消費者に一貫した品質の製品を提供することが可能になります。

近年、X線検査装置はより強力で信頼性が高く、使いやすくなってきています。ミネベアインテックのX線検査装置は、異物を検出するだけでなく、重量、製品成分、充填レベル、包装シールの確認も可能です。技術の進歩により、現代のX線検査装置は生産コストの削減に役立っています。これにより、企業は効率的な生産ラインを維持しながら、高品質な製品を市場に提供することができます。

5. X線検査装置のことなら、ミネベアインテックにご相談を

ドイツに開発・製造拠点を構え、堅牢・ハイジェニック(超衛生的)・高性能な製品を世界中で展開するミネベアミツミグループのミネベアインテックは、検査部、振り分け部、不良品回収ボックスがオールインワンになったX線検査装置「Dylight」シリーズを取り扱っています。設置幅1mの省スペース設計で製造ラインにすぐに組み込め、検査と排出が1台でできることがメリットです。

ミネベアインテックのX線検査装置は、目視では確認できない製品内部の異物や、製品の形状・質量などを正確に検出するための装置です。食品や化学製品の品質管理という観点だけでなく、消費者の安全を守るという観点でも欠かせません。

X線検査装置の導入やリプレースをお考えなら、ぜひお気軽にミネベアインテックにご相談ください。

X線検査装置の導入をご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください。

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