転がり玉軸受を組付けた機器の異常や、転がり玉軸受が損傷・破損した場合、その症状や状態から原因を探ることができます。以下に代表的な異常例と対策処置を示します。

異常の症状・状態

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症状・状態 軸受の損傷状態・推定原因など 損傷例 対策処置
異常音 連続音 軌道溝のブリネリング 3 軸受の取扱い、組み込み作業、機器の移動作業の見直し
(過大荷重、衝撃荷重が加わらないか)
荒れ・摩耗 1 潤滑剤、軸受サイズ、予圧、シールの見直し
軌道溝の異物によるキズ(圧こん) 2 軸受のシール化、作業環境の見直し
フレッチング 4 振動除去、包装・輸送の見直し
電食 6 絶縁処置:玉をセラミックにする
構成部品の共振 構成部品の寸法(厚さ)・材質の見直し
不連続音 玉にキズが発生した場合 作業環境、作業の見直し
(異物侵入、過大荷重が加わらないか)
異物の噛み込み 軸受のシール化、作業環境の見直し
予圧が不足している 荷重・回転条件等から予圧量の見直し
回転不具合 回転しない
又は回転が
重い
潤滑剤(グリース)の影響
(量、種類)
グリースの見直し
駆動部分(モータ部分等)の改善
(駆動力を上げる等)
異物侵入、接着剤侵入 使用環境・作業方法の見直し
しめしろが大きい はめあいの見直し
潤滑切れ 潤滑剤の見直し、グリースの封入量を増やす
グリースの種類・量の見直し
フレーキング 8 荷重条件・回転条件の確認
大きいサイズの軸受を選択
部品の接触 作業の見直し、設計の見直し
発熱 グリースの種類及び封入量が
適正でない
グリースの見直し
過大荷重 耐荷重性やはめあいの見直し
短寿命 不適切な環境・使用条件など 環境・使用条件の見直し
振動大・振れ大 ミスアライメント 部品の寸法公差・清浄度、作業の見直し
軌道面の変形 軸又は、ハウジングの加工精度(真円度)の見直し
接着剤及び接着作業の見直し
予圧が適正でない 予圧抜け 荷重・回転条件等から予圧量の見直し
内部すきま過大 軸受の内部すきまを小さくする
クリープ 5 はめあいの見直し
グリース漏れ グリースの種類及び封入量が
適正でない
グリースの見直し
シールド・シールの選定が適正でない シールド・シールの見直し
樹脂材料の破損
(割れ)
ケミカルアタック 7 潤滑剤の見直し、応力緩和、樹脂の再選定
しめしろ過大 はめあいの見直し
ウェルドライン 成形条件、ゲート位置の見直し

注:損傷例の番号は発生頻度の高い順

上記不具合症状のソリューションとして、当社ではベアリングにシャフトやハウジングを組み合わせたサブユニット品の対応を行っています。ご検討お願いします。

PMC製品紹介ページ

損傷例

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1 荒れ 2 異物によるキズ 3 圧こん(ブリネリング)
荒れ 異物によるキズ 圧こん(ブリネリング)
○印 : ブリネリング

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4 フレッチング 5 クリープ 6 電食
フレッチング
○印 : フレッチング
クリープ 電食

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7 ケミカルアタック 8 フレ-キング(金属疲労による剥離)
ケミカルアタック
○印 : ケミカルアタック

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