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コネクタの特性、防水等級

はじめに

コネクタの特性、防水等級

コネクタを選定する際、使用環境や求める特性によって確認すべき項目は多岐にわたります。ここでは、コネクタの電気的、機械的特性の意味と、防水等級について解説します。

1. コネクタの特性(電気的特性、機械的特性)

コネクタを選定する際は、考慮すべきさまざまな条件を最も満たす製品を選びますが、そのためには、スペック項目が意味するところを正しく理解しておく必要があります。

スクロールできます

特性

説明

ピッチ コンタクトピン間の距離のこと。この値が小さいほど、コネクタは小型で高密度になります。
極数/芯数 コネクタが持っているコンタクトの数、つまり電気的に接続できる回路の数です。コネクタを選ぶ際は、必要な回路数に応じて極数を決めます。
定格電圧 電気的、機械的な特性の劣化なしに連続的に印加できる電圧のこと。隣接するコンタクトピン間(最も近い距離)に印加することができる、規格上の最大電圧です。
定格電流 電気的、機械的な特性の劣化なしに連続的に流せる最大電流のこと。端子部に流せる、規格上の最大電流。
接触抵抗 電流の流れにくさを示すもので、嵌合したコネクタの接触部分で生じる電気的な抵抗のこと。正常に接触できているかどうかの指標。接触抵抗が大きいと、発熱しやすく、無駄な消費電力が多くなり、導通不良が発生する可能性があるため、値は小さい方が望ましい。
絶縁抵抗 コネクタのコンタクト間や、コンタクトとハウジング間の絶縁がどれだけ優れているかを示す値。値が大きいほど、絶縁性能が高いことを意味します。
耐電圧 コンタクト間やコンタクトやシェル間に電圧を印加してもショートが発生しない限界値。コネクタの絶縁破壊が起きることなく、一時的に耐えられる最大の電圧のこと。
定格温度 コネクタが電気的・機械的性能を維持できる温度範囲。室温だけでなく、動作による温度上昇も含めた数値を指します。定格温度=室温+温度上昇。
温度上昇 コネクタに電流を流した際に、周囲温度に比べてコネクタ自体の温度がどれだけ上昇するかを示す値。この上昇分が定格温度を超えないように設計されています。
フルロック 解除しなければ外せないロックのこと。車載系に多い。
ハーフロック 解除のための動きは不要で、設定した力以上でコネクタを抜けば解除されるロック。民生用に多い。
挿入力 コネクタを嵌合するときに必要な力。
引抜力 コネクタを引き抜く時に必要な力。

ちなみに「定格」とは、製品が正常に使用できる範囲のことです。一度でも超えたからといって、必ずしも壊れてしまうわけではないですが、超過状態が続く場合は保証範囲外となります。

定格について

2. コネクタの防水等級

コネクタの防水性能を示す等級は、IP規格によって定義されています。IPは「Ingress Protection」(侵入保護)の略称で、IEC (国際電気標準会議)およびJIS (日本産業規格)によって保護等級が定められています。保護等級は「IP」に続く2つの数字で構成され、それぞれが異なる保護性能を表します。

IPXX
第一記号……固体(防塵)に対する保護の程度
第二記号……液体(防水)に対する保護の程度
第一記号

コネクタの内部に固形物(ホコリや異物)が侵入するのを防ぐ能力を示します。数字が大きくなるほど、保護性能が高くなります。

第二記号

コネクタの内部に水が侵入するのを防ぐ能力を示します。数字が大きくなるほど、水没に対する保護性能が高くなります。

IP等級チャート

3. まとめ

コネクタ選定時に知っておくべき特性と防水等級について解説しました。

また、コネクタの基本情報やコネクタの部品、特性や防水等級など、コネクタに関して以下のページを公開していますので、ぜひ併せてご覧ください。

「コネクタとは?基本構造や種類、嵌合(かんごう)方式について解説」解説ページはこちら 「コネクタの部品、コンタクトピンとハウジングとは?」解説ページはこちら 「コネクタの結線・実装方法」解説ページはこちら

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