ステッピングモーター

ブレーキ付ステッピングモーターで電源オフ時の外部要因による軸回転を防止

課題解決事例

ブレーキ付ステッピングモーター

電磁ブレーキを搭載したステッピングモーターで
電源オフ状態での軸回転を防止

ブレーキ付ステッピングモーター

課題

物を搬送する機械で電源がオフになった時、外的圧力がかるとモーターが意図せず回転して位置ずれを起こしてしまう。

解決方法

ステッピングモーターに搭載された無励磁作動型の電磁ブレーキによって、電源オフ状態時にモーターの回転軸を物理的に固定し回転しないようにする。

採用のメリット

  • 電源オフのモーター静止時に、モーターの意図しない位置ずれを防止
  • 意図しない位置ずれによって引き起こされる機器の故障を防止
  • ブレーキ一体型で部品点数を削減

電源オフ状態でもモーターが動いてしまう「連れ回り」

ステッピングモーターは、電流を流して磁界を発生させ、その磁界によって軸を保持します。磁界は電流が停止すると消失し、同時にモーターの保持力も失われます。
このような状態で外部から圧力が加わると、その力や振動によってモーター軸が意図せず回転してしまいます。この現象を「連れ回り」と呼びます。
連れ回りが発生すると、本来停止しているはずのモーターの位置がずれ、再度電流を流した際に位置調整が必要となり、再起動時に原点復帰が必要になるなど、スムーズな運転開始が妨げられることがあります。また、連れ回りによるモーターの回転が他の部品へと波及し、最悪機器の故障につながる可能性もあります。

通電しステーターのコイルに電流が流れると磁界が発生

通電しステーターのコイルに電流が流れると磁界が発生

電磁ブレーキで回転を止める

突然の電流消失時でも回転をしっかり停止させるため、電磁ブレーキを搭載したモーターがあります。当社ミネベアミツミの電磁ブレーキ付タイプは無励磁作動型となります。無励磁作動とは通電していない時に作動することを意味しています。つまり電源がオフの時にブレーキが作動します。

ブレーキ作動時は、ブレーキ内部のばねの力でモーターの回転軸が物理的に固定されるためモーターの回転が止まります。
電流が流れた時には電磁力が発生し、この電磁力がばねの力に打ち勝ってモーター軸のロックを解除しモーターが回転します。

ブレーキというと、運動中の物体を減速させる制動ブレーキを想像しがちですが、この電磁ブレーキは停止している物体をその位置に保持するブレーキであり、電源オフ時に負荷の保持が必要な用途に適しています。

♦上下方向の搬送機器 電源オフ時に電磁ブレーキの有無

  • ブレーキなしモーター
  • 電源消失時

ブレーキなしの場合、電流が停止するとモーターの保持力が失われ搬送中の負荷が落下

ブレーキなしモーター
  • ブレーキ付きモーター
  • 電源消失時

ブレーキ付きモーターなら、電流が停止してもその場で停止し落下を防ぐ

ブレーキ付きモーター
  • ブレーキ付きモーター
  • 通常時

通常時はブレーキは作動せず負荷を上下方向に搬送

ブレーキ付きモーター

モーターとブレーキが一体化されている当社のブレーキ付ステッピングモーターでは、部品点数を削減でき省スペース化にも貢献します。

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