スリーブ
寿命に影響を与える要因として、荷重の大きさおよび種類、揺動角、速度、環境による汚染、シャフトの表面のあらさおよび硬度等があります。PTFEタイプのスリーブは通常低速揺動下での使用を目的としており、揺動速度は10 ~ 20cpm 以下でご使用下さい。
- シャフトの表面のあらさ
- 0.2μmRa 以下を標準とします。これより粗い場合には表13 の寿命係数を考慮します。
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| 表面のあらさ | 寿命係数 | 
|---|---|
| 0.2μmRa 以下 | 1 | 
| 0.2μmRa ~ 0.4μmRa | 0.75 | 
| 0.4μmRa ~ 0.8μmRa | 0.4 | 
- シャフトの硬度
- 50HRC 以上を標準とします。これ以下のシャフトを使用される場合には表14 の寿命係数をご考慮下さい。 
 図14 は揺動角± 25°、速度10cpm、一定荷重状態での摩耗試験における面圧と摩耗量が0.152mm を越えない寿命サイクルをあらわしたものです。
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| 硬度 | 寿命係数 | 
|---|---|
| 50HRC 以上 | 1 | 
| 50 ~ 40HRC | 0.6 | 
| 40 ~ 30HRC | 0.4 | 
 
    荷重用語の説明
- 静定格荷重 (STATIC LIMIT LOAD)
- これ以下の荷重では永久ひずみが0.102mm を越えない荷重をいいます。
- 揺動荷重 (OSCILLATION LOAD)
- 規格によって若干異なりますが、NMB の標準品については揺動角± 25°、速度10cpm、一定荷重状態での摩耗試験で25,000 サイクル後の摩耗量が0.152mm を越えない荷重をいいます。スリーブの性能も投影面積S と許容応力σ との積によって決定されます。 (図15) 
 
    - 投影面積S
- 下記の式で求められます。ただし、スリーブ巾L が内径B に比べて大きい場合には、軸の曲がりの影響を考慮する必要があります。 
 ストレート型S = B (L - 2.54) フランジ付S = B × { (L + F) - 3.3 } ただし、投影面積S がB2 より大きいときは、投影面積S の値はB2 を使用します。
- 許容応力σ
- 表15 に示す値を用います。
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| X-1118 | X-1820 | ||
|---|---|---|---|
| 静定格荷重 | アルミニウム | 345N/mm2 { 35.2kgf/mm2 } | 345N/mm2 { 35.2kgf/mm2 } | 
| スチール | 413N/mm2 { 42.2kgf/mm2 } | 482N/mm2 { 49.2kgf/mm2 } | |
| 揺動荷重 | 172N/mm2 { 17.6kgf/mm2 } | 258N/mm2 { 26.4kgf/mm2 } |